ICカードが奪ったもの

職場が移転してこれまでは徒歩通勤だったのがバス通勤になりました。
ってことで今回はAucklandの公共交通機関について。

毎日のことなので早速入手したのがこれ。
HOPカードなるものです。

HOP card
HOP card

これは日本でゆーところのSuicaだったりIcocaだったり、いわゆるAucklandの交通ICカード(こちらではSmartcard)です。
ぼくも以前はIcocaを使っていたんですが、ワーホリから1年後に帰国した時に初めて最寄りの駅で見てビックリしたのを覚えてます。
これまで改札にいた駅員さんがいなくなってしまったのは衝撃でした。


日本と違うなぁと感じたのは、このカードを$10で購入しないといけない点。
いくらこれがあることで割引を受けられるといっても、たかがカードに$10は個人的には高く感じてしまいます。
確かIcocaは500円の保証金があって、カードを返すと保証金も返ったきたはず。
ニュージーランドのマーケットの小ささが原因かな?



Aucklandで導入されたのは去年2011年で、それまでICカードなんてのはありませんでした。
ではAucklandではバスや電車にどーやって乗っていたのか。
基本的にバスも電車も自動発券機なんてものはなく、チケットは全て手売りです。
駅にいたっては改札すらありません。
あ、ちなみにAucklandの電車は正しくは電気で動いてないのでディーゼル車です。


バスは乗る時に運転手に行き先を告げ、お金を払う前金制です。
料金はシティを中心に円を描くようにステージが決められていて、中心部から離れるほどステージ数が上がり料金が高くなります。
各バス停には日本のようにバス停の名前はないので(番号はありますが、誰も覚えちゃいないでしょう)、「〇〇ストリートまで」とか「◯ステージ」といった感じで言えばOKです。
Auckland bus
Auckland bus

電車はどーか?
記述のように発券機や改札はないので、とりあえずは目的地域の電車に乗り込みます。
すると車内を改札員がまわってくるので、そこで行き先を告げてチケットを買います。
バスと違うのは駅名があるのと、わりに改札員がまわってこないことがあることです。
基本的に電車が混むことはそうそうないんですが、朝の出勤時なんかで人が溢れてると改札員もまわりきれません。


それを解消するためにでてきたのがICカードです。
現時点ではまだ電車では導入されていませんが、バスでは乗車時にカードをカードリーダーに近づけてTag onして降りる時にTag offするだけでいいので、客がお金を探したり運転手がお釣りを計算する時間が省けます。

余談ですが、この国の人は引き算をしません(できません?)。
すべて足し算でまかないます。
例えば$3.30のチケット代金のところに$5を出したとします。
すると運転手は$3.30に$0.20+$0.50+$1.00を足して$5.00になるから、と$1.70のお釣りを渡してくれます。
時間かかり過ぎ。


このICカードの登場でもちろん乗車の効率は上がったんですが、それによって失われたことがあります。
それはコミュニケーションです。
これまでだとチケットを買う時に挨拶をし、行き先を告げ、チケットを受け取ったら礼を言って、降りる時には「ありがとう」といったほんの僅かでも確かなコミュニケーションが存在していたんですが、残念ながらこーいった機会はなくなる傾向にあるように思います。
個人的にはこの国に「効率化」とゆー言葉は似合わないし必要ないよーに思うんですけど、、、。


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